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井上 ひさし:ボローニャ紀行:書評

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イタリア紀行:ボローニャ紀行 |    データ項目の説明→

書名ボローニャ紀行
ボローニャ紀行
ボローニャ紀行井上 ひさし

おすすめ平均
stars考えさせられました
stars個人と国家のあり方を考える最適な一冊
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著者井上 ひさし
書籍種類紀行
紀行の種類旅行記型
旅の種類
主要テーマ政治、文化
主要訪問国イタリア
その他訪問国
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「ボローニャ紀行」|紀行読書感想

街の力

井上ひさしさんの紀行文です。小説家というより、劇作家という印象が強い方ですね。 氏の「まじめさ」と独特の「ユーモア」が愉快な紀行でした。

内容は実直なテーマで、日本と似て非なるイタリアの「事情」を分りやすく、 解説してくれています。
何故ボローニャか?これは井上ひさし氏の生い立ちと関係がある。
で、由縁のあったボローニャへと。ボローニャへの想いは強かった。

ところでボローニャと言えば、サッカーの中田英寿が一時期レンタルで移籍していた名門サッカークラブを思い浮かべる方も多いのでは?名前こそ知れど僕はこの程度かな。知識としは。

この本のテーマは「街」が持つ力。
街のためなろうとする市民。街が人を育て、人が街を育てる。このような人と街の相互関係は 我が国ではあまり見かけない。
紀行文というより、ボローニャのパワーの根源を丹念に探っていくドキュメンタリーのようです。
政治的背景や社会的な慣習など、切り口は多岐にわたる。我が国の「後進ぶり」を嘆いてもしょうがないけど、 つくづく、欧州は優れているなぁと僻んでしまう。無論、どの国にも明暗はあるにせよ、やはり羨ましい。

労働の国、イタリア。そして中田英寿

我が国の憲法はとても美しいとされているが、イタリアも美しい憲法を持っている。

「イタリアは労働に基礎をおく民主的共和国であり・・(第1条)」
「手工業の保護および発展を図る・・(第45条)」

どうやら、イタリアは起業精神旺盛のようだ。 我が国は、多くは大企業を目指して・・というのが一般的なエリート的志向だが、 イタリアでは力ある者は起業する。そうでない者は・・。
憲法を見れば、イタリアの精神が見て取れます。

イタリア憲法第45条はさらに続きます。

「共和国は相互性の性格を有し、私的投機の目的を有しない協同組合の社会的機能を承認する。法律は最も有効な方法によりその増加を推進し、助成し・・」

お互いに協力しあう社会的組合とどんどん作って、国はそのための法律を作れと。憲法にここまで規定している。
ボローニャでは特にこの精神が根付き、必要と思った人が、どんどん組合を作る。行政が支援する。そして街が、人が活性化する。そして街が潤う。
これが「街の力」。

中田英寿氏が電撃的に引退した後、世界を放浪?旅?していた。彼は何をしようとしているのか?
単なるパフォーマンス?と揶揄する声も耳にする。僕も?と思っていた。
この本を読んで、中田英寿氏の考えていることが少し分るような気がした。少しだけね(笑)。

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