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紀行地図紀行文庫 > ブッシュマンとして生きる―原野で考えることばと身体

ボツワナ旅行記,紀行:「ブッシュマンとして生きる―原野で考えることばと身体」  データ項目の説明→

書名ブッシュマンとして生きる
ブッシュマンとして生きる―原野で考えることばと身体 (中公新書)
ブッシュマンとして生きる―原野で考えることばと身体 (中公新書)菅原 和孝

中央公論新社 2004-01
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著者菅原 和孝
書籍種類専門書
紀行の種類-
旅の種類-
主要テーマ文化人類学
主要訪問国ボツワナ
その他訪問国
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「ブッシュマンとして生きる―原野で考えることばと身体」|紀行読書感想

新たな視点

「世界を知る」と標榜し、様々なタイプの本を読んできましたが、この本は全く今までに 無い本でした。
私は専門家ではないので、正しいかどうかわかりませんが、「文化人類学」 の学術書に近い本です。確かに学術的なテーマがベースとなってますが、フィールドワー クを丹念に行う姿はある意味「紀行」的要素も含んでおり、普段、紀行を読んでいる感覚 とあまり変わりありませんでした。勿論、学術的要素も濃いですが。
尚、この本はブログ友達のaporinさんからご紹介いただきました。どうもありがとう。

価値観、ものの考え方がここまで違うとは・・。

紀行を読んでいると文化の違い、価値観の違いにぶち当たることが多い。美しい街並みや、 人々との出会いなども紀行を楽しむ要素でもありますが、やはり文化や価値観の違いを目 の当たりにできることが紀行読みの醍醐味です。
ですが、この本を読んで、所詮、僕の見聞きした価値観の相違は、人類を鳥瞰できたとし たら、「相違」ではなかった・・ということを改めて知ったのです。

「言語」の違い。国が違えば当たり前のことですが、私たちが認識する言語はおおよそ、「変 換(翻訳)できる」。たけど。この本に取り上げられたアフリカの民族の言語はこれが通用 しない。
例えば日本語の意味に「近い」ものに訳すことはできても、真に理解することは 不可能だ。ここで例を挙げることは困難ですが、例えば「人称代名詞」について、様々な シチュエーションに応じて数多くの代名詞が用意されている。日本語では複数の言葉で表 現する表現も1語で済んだりする。著者も慣れると日本語の人称代名詞の少なさに苛立ち を覚えると語っています。

驚くべき価値観の多様性

最も驚きが「名前」の付け方。これは驚愕した。名前に対する価値観として、我々は普通 「良い意味」や「良い価値観のものにちなんだ」名前を付ける。 この民族は違う。

例えばこの民族のある人の名前を分解すると「研いでやる、ナイフ」と いう具合。これを名前に付ける。この名の背景は「不倫?関係で生まれた子供」。怒った夫 がそう名付けた。

著者は多くの原住民の名前の統計を取った結果、「争いごと」に関する名 前が多いことがわかった。まさに血のにじむようなフィールドワークの結晶だ。 この民族の名前は「共同体の過去を振り返る記憶装置」としての役割を持っているのだ。

あらゆる「名前」を軽視されつつある昨今、ある意味納得がいく。話はそれますが、 日本は地名や都市名をいとも簡単に変えてしまう。欧州では考えられないそうだ。歴史を 消すことになるからだ。

途方もないフィールドワークの原動力

自身の生き方に漠然とした虚しさ、違和感を感じていたと語る。「その違和感に押し潰され ることなく、目をそむけずに生きるには「別に生き方がある」ということを知ることだ」 と決意する。同感だ。僕のこのサイトの位置づけと本質的に似ている。

これだけではなかった。本文中に1行だけ、ご自身のご子息のことを書かれていた。胸が 熱くなった。

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