紀行地図 > 紀行文庫 > 孤独な鳥はやさしくうたう
紀行:孤独な鳥はやさしくうたう | データ項目の説明→
| 書名 | 孤独な鳥はやさしくうたう |
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|---|---|---|---|---|---|---|
| 著者 | 田中 真知 | |||||
| 書籍種類 | 紀行 | |||||
| 紀行の種類 | 旅行記型 | |||||
| 旅の種類 | ||||||
| 主要テーマ | ||||||
| 主要訪問国 | スペイン、モンゴル他 | |||||
| その他訪問国 | ||||||
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「孤独な鳥はやさしくうたう」|紀行読書感想
紀行短編
この紀行文は雑誌「旅行人」で連載された随筆を集め、書き下ろしの随筆を追加した構成になっています。
文学において、短編というものは、短いながらも作者の力量が大きく問われるもので、優
れた短編であれば、感動がストレートに読者に伝わってきます。
で、これが紀行文とどうなるか。
これは紀行読み専門の僕の個人的な意見ですが、
短編的な紀行文は確かに多く存在します。
これを読み物として捉えると、特に困ることは無いのですが、紀行文とは旅程という時
系列な「動き」を伴うのが普通で、かつ、訪れる国々の文化やテーマも何らかの形で織り
込まれるのがパターン。
それが短編的に編集されると、読み手としては混乱してしまう。
ヨーロッパとアメリカとアフリカの紀行を纏めて書かれると、文化は入り混じるわ、その
文化に触れた著者の思いも、当然のことながら変わってくる。
一連の旅程を区切ってい
るだけならともかく、時期もバラバラ。こうなると、結構辛いものです。
一つ一つが優れ
た文章であっても、読後、何も残らない。という結果を招きがち。
ですが、この本は紀行短編として、非常によく構成されています。
5章から成る構成で、章毎に短編が数編収められています。
その章のテーマとなる「表題」が、
その中に収められている短編の主題を「美しく」「矢のごとく」貫いている。それはあから
さまでは無く。細く、ピシッと貫かれている。
そして一つ一つの「物語」が混ざり合い、抽象化された主題が頭のなかで結像する。その
残響が僕らの心に強く響く。
構成面というロジカルな観点で感想を書きましたが、一つ一つの短編は文学的要素の強い
ものに仕上がっています。平易な分かりやすい文章と叙情性豊かな表現が作者の心の在
りか、心の揺らぎがそれとなく、我々に伝わってきます。
微笑ましいものもあれば、悲しみの深淵に立たされることも。
珠玉の短編でした。











